先週末開催された札幌Ruby会議02でライブコーディングしてきました。本州枠の1つで話す機会を作ってくれた実行委員長のしまださん、ありがとうございます。
内容
今回の発表はスライドだけでは伝わらないはずです。いつも、話すことすべてをスライドに盛りこんでいませんが、今回は特にスライドに盛りこまれていないことが多いです1。
仙台では考え方について話しましたが、札幌では技術的なことを話すつもりでした。札幌で何かを伝えることができるのなら、それは技術的なことであって欲しいし、Ruby 逆引きレシピをリリースしているRuby札幌がいる札幌でならそれができるはず、というのが理由です。
そのために、今回はライブコーディングをすることにしました。
自分ができる、一番、技術的なことを伝える方法はプログラムを書くことです。プログラミングに限ったことかもしれませんが、何かを伝えるためには、結果だけではなく、過程も一緒に伝えた方が、より伝わります。ペアプログラミングが成果をあげているという声を聞いたこともあるのではないでしょうか。
ライブコーディングは1対1ではなく、1対nの形になるので、それで本当に伝えることができるのかは不安でしたが、札幌でなら大丈夫だろうということで決行しました。
札幌Ruby会議02の模様はニコニコ動画にアップロードされています。
tDiaryの話をした柴田さんも録画してくれました。ありがとうございます。こちらはYouTubeにあります。
FAQ
Q: 練習したのですか?
A: 2, 3回練習しました。
あまり練習すると本番で間違わなくなるのであまり練習しないようにしました。実際、ライブコーディング中にいくつか間違いました。間違ったときにどうやって直していくかという過程も見てほしかったのでよかったです。
実際の開発はデバッグの連続です。間違わずに5分で完成させる動画通りにはいかないものです。
Q: 少し速いですね。
A: 使い慣れたエディタを使ったからです。
自分ではあまり意識して使っていませんが、意識してみると、以下の機能を使っているようです。以下の機能を使うことにより通常より速くコードを書くことができるかもしれません。
- 動的略語展開: 入力途中の単語を補完します。補完候補は現在開いているすべてのバッファ内にある単語すべてです。デフォルトではM-/にバインドされていますが、補完といえばタブなのでC-c C-iにバインドしています。
(define-key global-map "\C-c\C-i" 'dabbrev-expand)
- "end"の挿入: ruby-modeではC-c C-eで"end"を挿入できます。
- M-f/M-bでの移動: C-f/C-bより大きい単位で移動します。
- C-hとC-dを同時に使う: C-hはバックスペースでC-dはdeleteですが、行内の箇所を削除する時はC-hとC-dを同時に使って削除しているらしいです。指摘されるまで自分でも気づいていませんでした。
Q: ソースコードは公開されていますか?
A: ラングバプロジェクトのSubversionリポジトリでAGPL v3+で公開しています。
当日利用したリビジョンはr874なので、以下のコマンドで同じソースコードを取得できます。
% svn co -r874 http://groonga.rubyforge.org/svn/examples/message-archiver/
札幌Ruby会議02全体の内容
仙台ともとちぎとも違う雰囲気でした。とてもとても居心地がよかったのが忘れられません。Rubyを使って気分よくプログラムを書いているときと少し似ている気がします。
最初から最後まで最前列で話を聞いていました。文脈は少し違うのですが、ちょうど興味のある話題や、前から考えていたことに関連することが多く、参考にできることがたくさんありました。
田中さんの、ユーザが余計なことを考えなくても簡単に使えるようにしたい、という話、sumimさんや谷口さんの、興味を持って学習するためにはという話、和田さんの、増加するテストに立ち向かう方法の話、高橋さんの、やめる勇気の話、角谷さんの、選んだらそれでハッピーではない、上を見てもキリがないし下は見てもしょうがないんだから自分ができることをやっていく、という話。文脈が違うので自分の中で変換しながら自分に合わせて聞いていたので、発表された方が一番言いたかったこととずれているかもしれません。
ツールでは、しだらさんの紹介していたJekyllも使ってみたくなりました。とちぎではそうでもなかったのですが、今回は使ってみたくなりました。とちぎでは駆け足だったからかもしれません。
Reject Talks
技術的なことは本編とは別のReject Talksが楽しかったです。Reject Talksでは、単に発表者が話すのではなく、観客が随時コメントをしていくという形式に(結果的に)なっていました。その中で、このコードがこう悪い、こうした方がよい、という話をできたことがとても楽しかったです。
話す側と聞く側ではなく、両者が話しあっていることがとても印象的でした。
まとめ
札幌Ruby会議02での発表内容について補足しました。また、1参加者から見た札幌Ruby会議02も簡単にレポートしました。
札幌Ruby会議02がすばらしかったのはスタッフのみなさん、発表者のみなさん、参加者のみなさんなど関係者のみなさんのおかげでしょう。でも、もう少し考えてみると、実行委員長のしまださんがいることが一番大きいのではないかと感じています。みなさんは、司会をしていたしまださんが想いがこもった発表者紹介をしていたのに気づいていましたか。想いのこもった感想を述べていたことに気づいていましたか。しまださんの発表枠はありませんでしたが、しまださんの想いを感じることができたすばらしい札幌Ruby会議02でした。
そんな札幌Ruby会議02に発表者・スポンサーとして参加できてとても光栄です。
今回はActiveLdapには触れられませんでしたが、12/14のRailsセミナーではActiveLdapに触れるので、興味のある方は参加してみてください。
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公開用に多少加筆してあります。 ↩