数ヶ月前、すでにPythonを知っている人向けのPythonの本が出版されました。オリジナルは2008年に海外で出版されたもので、これはその翻訳です。
https://amazon.co.jp/dp/4048686291
内容
さらにステップアップしたいPython開発者向けの内容なので、構文の説明など初級者用の内容はなく1、どうやってPythonを使うのがよいかを書いてあります。プログラミングだけではなく、開発全体を意識しているのが実務的といえます。パッケージを作り方を説明するところでも、単にEggを作るだけではなく、PyPIに登録するところまで説明しています。他にもよい名前について1章使ったり、テスト駆動開発に1章使ったりと、しっかりと大事な話題はおさえています。ドキュメントについての章があるのもPythonらしいですね。
ただし、幅広く扱っている分、少し物足りない部分もあります。例えば、テスト駆動開発の部分は標準添付のunittestよりもnoseの方により重みをおいて説明した方がより実務的でしょう。
一番有用なのは付録のPython 2とPython 3のUnicode文字列についてまとめたところかもしれません。この部分は日本語版用に翻訳者たちが書き下ろしたもので、マルチバイト文字列を扱う機会の多い日本のPython開発者には特に有用でしょう。Python 2とPython 3は互換性がないため、文字列の扱いを移行するときにこの付録が役に立つことでしょう。
また、オリジナルが出版されてから現在までにPython界隈の状況も変わってきていますが、それについて訳注で補足されているのもうれしいところでしょう。新しく書くコードでは最新の状況にあわせたコードにしたいものです。
まとめ
エキスパートPythonプログラミングの内容を簡単に紹介しました。
エキスパートPythonプログラミングではまったく触れられていませんが、単体テストフレームワークはunittestやnoseよりもPikzieがオススメです。
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むしろ最初にインストール方法があるのが違和感。ただ、MinGWなどもインストールするように書いてあるので、初心者用ではない。 ↩