前作プログラミングRubyのRuby 1.9対応版です。
前作: https://amazon.co.jp/dp/4274066428 https://amazon.co.jp/dp/4274066436
このシリーズはページ数からもわかる通り、Rubyについて細かいところまで網羅しているのが特徴です。例えば、Proc.new
とlambda
の違いはわかりますか?以下のようなクラス定義の書き方による参照解決の違いはわかりますか?
module MyLibrary
class MyClass
# ...
end
end
class MyLibrary::MyClass
# ...
end
これまでのシリーズと同様、本書でもそのあたりの細かいところにも触れています。もちろん、1.8と1.9で変わった部分についても触れています。このシリーズでRubyを覚えたという人もわりといるようですが、それはこの網羅性が役に立ったのではないでしょうか。
おそらく、1回読んだだけではすべてを覚えることは無理でしょう。読んで、実際にRubyのコードを書いて、気になったところをまた調べ直す、そのサイクルができるのがこのシリーズです。このシリーズでRubyを覚えた人はこのようなサイクルを使ったのではないでしょうか。先日1.9.2がリリースされ、これから1.8から1.9への移行がより進むと考えられます。そのときに、つまずいたところを本書で調べて理解していくというサイクルに使えるでしょう。
Rubyは(わりと)読みやすいコードを(わりと)書きやすい言語仕様になっています1が、複雑なこともいろいろできる仕様も多く含まれています。ほとんどの場合は複雑なことはしなくても済むはずですし、そのように書いておく方がよい場合の方が圧倒的に多いです。一度、(わからない部分があったとしても)全体を一通り読んでおいて、Rubyの動作はどうなっているかをざっくりと知っておくとよいでしょう。複雑なことをしそうになったときに、別の方法もあった気がする、と気付けるようになるくらいで十分です。気付けたら本書なりるりまなりで詳しく調べることができます。
本書は分量の多さから言語編とライブラリ編の2編構成になっています。言語編に比べてライブラリ編の内容が手薄になっているので気をつけてください。必ずしもそれぞれのライブラリの最新の情報に追従できているわけではありません。本書をきっかけにしてるりまやWeb上での情報などで補正する必要があるでしょう。
試しにRubyを勉強してみたい、という人には敷居が高いでしょう2。しかし、Rubyを使いこなそうというくらいの気持ちがあるのであれば、助けになってくれることでしょう。
https://amazon.co.jp/dp/4274068099 https://amazon.co.jp/dp/4274068102