データ分析基盤構築入門という書籍を著者の一人@yoshi_kenさんから「Fluentdのプラグインの件でお世話になっているので〜」ということでいだたきました。ありがとうございます!
この書籍を読むとFluentd,Elasticsearch,Kibanaの体系化された知識を得ることができます。 特にこれからデータ分析基盤を作ろうと考えている人や、データ分析基盤を構築しているけど、自己流なので自信がないなぁという人におすすめの書籍です。
400ページくらいあり分厚いのですが、サンプルコード・実行例・設定例がたくさんあり、まずは真似して始めてみる、ということが大変やりやすくなっています。
第1部 データ分析基盤入門
データ分析基盤を構築する目的はなんなのか、データ分析基盤を構築し、提供する立場ではどういう考え方で行動するべきなのかという心構えから、ビジネスではデータ分析基盤をどのように活用される例があるのかも説明されているので、これから始める人にとってちょうど良い内容になっています。
第2部 Fluentd入門
現在存在する日本語の情報でFluentdについて最もきちんとまとまっている情報です。ドキュメント化されていない情報や見つけにくい情報もまとまっているため、リファレンスとして一冊手元にあるととても便利だと思いました。 またFluentd v0.12とFluentd v0.14の違いについても書かれているため、これから新しくFluentdを使い始める人にとっても役に立つでしょう。
多くの人が最初に使うであろうtailプラグインについては徹底攻略として設定例を含めて約20ページの解説が書かれています。 また、Fluentdノードのデザインパターンとしてよく使用されるであろうノード構成について詳しく解説されています。
第2部の最後に運用Tipsとして、様々な知見が書かれています。これらは実際にFluentdを運用しようとしたときに気になる項目ばかりでした。
第3部 Elasticsearch入門
Elastic社の中の人が書いているので、とても詳しく書いてあります。 Elasticsearchを使ったことがないので、内容の評価はできませんが始めて使う人から、大規模で運用したいと考えている人まで幅広く対応した内容だと思いました。
第4部 Kibana入門
Kibana入門のタイトル通りの内容でした。Kibanaも使ったことがなかったのですが、この書籍を読んで使い始めることができそうという気持ちになりました。
付録
付録というよりも第5部と言った方が適切なくらいの分量がありました。 Fluentd/Embulkのプラグインリストは、日本語でまとめられている情報では質と量で一番です。
まとめ
第1部から第4部までと付録はそれぞれ独立しているので、どこからでも読み始めることができます。 しかし、それぞれのソフトウェアについて独立して書かれているため、FluentdとElasticsearchの連携をするための方法については、あまり詳しく書かれていませんでした。 この書籍が書かれた時期は2017年4月より前だと思うのですが、その時期はfluent-plugin-elasticsearchのメンテンスが滞っていたので詳しく書けなかったのだと思われます。 2017年9月から、クリアコードメンバーがCollaboratorとして開発に参加しているので、FluentdからElasticsearchにデータを送るのにfluent-plugin-elasticsearchを使い続けても安心です。