はじめに
IBusの1.5.19からは、ibus-daemon
の--mem-profile
オプションは非推奨になりました。
今回はその経緯について紹介します。
修正の経緯
IBusはGLibを外部ライブラリーの一つとして使っています。 このGLibですが、2.46からメモリプロファイリングに関する機能が動作しなくなりました。1
これまでibus-daemon
では--mem-profile
というオプションを指定するとメモリプロファイリングの機能が有効になり、
SIGUSR2
を送りつけることでメモリ使用量に関するレポートを標準エラーに出力することができるようになっていました。
この機能を実現するために、ibus-daemon
ではGLibが提供する以下のAPIを使っていました。
しかし、GLib 2.46以降ではこれらの機能は非推奨となり使えません。
とはいえ、GLib 2.46というのはやや古く、これより前のものを採用しているのはUbuntu 14.04(trusty)あたりのリリースバージョンです。2 そういった古めの環境でわざわざ最新のIBusを採用するというのは考えにくいため、IBusではGLib 2.46以前をサポートしないようにしました。
GLib 2.46以降の環境でibus-daemon
に--mem-profile
オプションを指定した場合には警告するようになっています。
まとめ
今回はibus-daemon
の--mem-profile
オプションが非推奨になった経緯を紹介しました。