こんにちは。Fluentdチームの藤田です。
2024年7月2日にFluent PackageのLTSの最新版となるv5.0.4をリリースしました。
本リリースでは、パッケージでいくつかの修正と改善が行われています。
本記事ではFluent Packageの変更内容について紹介します。
Fluent Package v5.0.4
2024年7月2日にFluent PackageのLTSの最新版となるv5.0.4をリリースしました。 同梱のFluentdのバージョンはv1.16.5から変わりありません。
本記事ではFluent Packageの変更内容について紹介します。 興味のある方は、以下の公式情報もご覧ください。
公式リリースアナウンス
- Fluent Package v5.0.4: https://www.fluentd.org/blog/fluent-package-v5.0.4-has-been-released
CHANGELOG
- Fluent Package v5.0.4: https://github.com/fluent/fluent-package-builder/releases/tag/v5.0.4
修正
Fluent Package v5.0.4では、以下の修正をしています。
- Windows: fluent-gem(td-agent-gem)コマンドがPATH環境変数を誤って更新してしまう問題を修正
Windows: fluent-gem(td-agent-gem)コマンドがPATH環境変数を誤って更新してしまう問題を修正
限定的なケースでコマンドの動作に影響を及ぼす不具合を修正しました。
fluent-gem
(td-agent-gem
)コマンドを実行する- その後同じシェル上で
fluentd
(td-agent
)コマンドを実行する
上記のようにコマンドを実行した場合に、fluent-gem
(td-agent-gem
)コマンド実行時にシェル実行環境におけるPATH環境変数が意図せず更新されてしまい、
後続のfluentd
(td-agent
)コマンド実行時に想定とは異なるパス上のfluentd.bat
が実行される問題が発生していました。
この問題はfluent-gem
(td-agent-gem
)とfluentd
(td-agent
)を別々のシェルでの実行により回避することもできます。
改善
Fluent Package v5.0.4では、以下の改善をしています。
- Fluentdのサービスが起動中は新規Fluentdの重複起動を防止
Fluentdのサービスが起動中は新規Fluentdの重複起動を防止
Fluent Packageをインストールすると、Fluentdサービスが起動します。
それとは別にシェル上からfluentd
(td-agent
)を実行すると、これまではデフォルトの設定ファイルパスでFluentdを起動することができました。
Fluentdのバージョンを確認したい場合にはfluentd --version
(td-agent --version
)と実行する必要があるのですが、
誤ってfluentd -v
(td-agent -v
)を実行すると、ログが詳細に表示されるモードでFluentdが起動してしまいました。
このように意図せずFluentdを多重起動してしまうとバッファファイルなどを破損させてしまう恐れがありました。
Fluentdサービス起動中にシェル上からfluentd
(td-agent
)コマンドで起動する場合は、--config
オプションで設定ファイルパスを明示しない限りは、
サービスと重複して起動しないように改善しました。
--dry-run
オプションのように、Fluentdを起動する用途以外でのコマンド実行はこれまでどおりサービスの稼働状況とは関係なくできます。
より安全に利用していただけるようになりました。
その他の修正・改善
- Ubuntu 24.04 (Noble Numbat)をサポート対象に追加
- Rubyのバージョンを3.2.4にアップデート
- Ruby 3.2.4にはセキュリティアップデートがいくつか含まれています。詳細はRuby 3.2.4 リリースをご覧ください。
まとめ
今回は、Fluentdの最新パッケージFluent Package v5.0.4の情報をお届けしました。
パッケージでいくつかの修正と改善が行われました。 最新版のFluent Packageへのアップデートを推奨します。
長期の安定運用がしやすいLTS版をぜひご活用ください。
また、クリアコードはFluentdのサポートサービスを行っています。 Fluent Packageへのアップデートについてもサポートいたしますので、詳しくはFluentdのサポートサービスをご覧いただき、お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。
最新版を使ってみて何か気になる点があれば、ぜひGitHubでコミュニティーにフィードバックをお寄せください。 また、日本語用Q&Aも用意しておりますので、困ったことがあればぜひ質問をお寄せください。