Mozilla
Thunderbird 128でIMAPアカウントのメールフォルダーが破損する・増殖する場合の回避方法
当社の法人向けThunderbirdサポートサービスにおいて、それぞれ別々のお客さまから、以下のようなお問い合わせを頂きました
- Thundebrird 115からThunderbird 128へ更新して以後、IMAPで運用しているメールアカウントにおいて、フォルダー内のメールを選択するとメールのソースらしき文字列が表示されたり、別のメールの内容が表示されたりする現象が、度々唐突に起こるようになった。「フォルダーの修復」を行うと状態が回復するが、しばらくするとまた再発する。
- アーカイブの保存方法を年単位から単一のフォルダーにまとめるように変更して以後、Thunderbirdを終了する度に「archive-1」「archive-2」「archive-3」……と、名前の末尾に数字が付いたメールフォルダーが増殖していくようになった。
本記事では、この2件の事例を切り口として、この種の問題の共通の原因と疑われるThunderbirdの事情を解説した上で、これらの問題の回避に有効と考えられる対策をご紹介します。
公開のOSS開発プロジェクトの業務での開発事例:Waterfoxのサイドバー開発からのFirefox用アドオン「Tree Style Tab」の改善(開発編)
結城です。
筆者個人に寄せられたWaterfoxのサイドバーUI開発に関するご相談を当社の業務として手がけた件(参照:Waterfoxプロジェクトのブログにおけるアナウンス)について、前編の記事では交渉と作業内容の検討段階の経緯をご紹介しました。
前編では「Waterfoxのためのモジュール開発」の趣が強い話でしたが、最後の段になって、実は最終的な落とし所はそれとはやや見え方が異なる「WaterfoxプロジェクトとTree Style Tab(以下、TST)プロジェクトとのコラボレーション」の形になった、ということに触れました。 後編となるこの記事では、「調査・開発を進める過程で、何故そのようにゴールが変わったのか」を説明した上で、主に「既存の開発プロジェクトに対する特定顧客向けの機能追加の要件をどのように分離したか」に焦点を当てて、実際に行ったことをご紹介します。
公開のOSS開発プロジェクトの業務での開発事例:Waterfoxのサイドバー開発依頼(契約編)
結城です。
先だってFirefoxのフォーク版の一つとして知られるWaterfoxプロジェクトのブログにてアナウンスがあった、Waterfoxの次期バージョンにおける「タブのプレビュー画像を伴った縦置き型のタブバー」の開発を、当社業務の一環として筆者が担当させて頂きました。
先方のブログでも言及されている「仮想スクロール」の技術的な詳細については、筆者個人のブログにて、解説記事を別途公開しております。 ここでは、それとは別の切り口として、「個人の開発者宛に頂いた連絡を、どのようにして企業の案件として請け負い、成果をオープンソース開発プロジェクトに還元したか」に焦点を当て、前後編に分けて、前編(この記事)では初期の交渉と仕様検討段階で行ったこと、後編では実装段階で行ったことをご紹介します。
dbus-sendを利用して既存のFirefoxプロセスでサイトを開く方法
Firefoxのプロセスが既に起動している場合、新たにFirefoxを起動しようとすると、既に起動している方のプロセスにてコンテンツが表示されます。
その一方で、同一のプロファイルを指定してFirefoxを追加で起動しようと試みた場合など、そのままでは既に起動しているプロセスにてコンテンツを開かせることができない場合もあります。 すでにFirefoxが起動中だが、応答しない旨のエラーメッセージが表示され、Firefoxを終了し別プロファイルを利用するようにうながされます。 このような挙動になるのは、プロファイルを保護するためにロックがかけられている状態になっているためです。
今回は、GNU/Linux環境下においてそのような場合でも既存のプロセスでタブを開けるように、dbus-send
をどのように利用するとよいかを説明します。
WebExtensionsのNative Messaging Hostが動作しなくなる問題と、その予防方法
結城です。
先日、当社製ThunderbirdアドオンのFlexConfirmMailとList Addons in Windows' Programs(以下、LAWP)について、「これらを同時に使用するとFlexConfirmMailが動作しなくなる」というお問い合わせを頂きました。 調査の結果、この現象はアドオン開発時に使用するNative Messagingという機能の使い方に起因するものであったことが分かりました。
この記事では、主に開発者向けの情報として、トラブルシューティング事例としてこの不具合の原因調査の過程を紹介しつつ、FirefoxおよびThunderbirdのアドオンの開発時のNative Messaging使用時の注意点を説明します。
Firefoxの更新後にWebサービスのデスクトップ通知が表示されなくなった場合の対処法
結城です。
最近、Firefoxを更新されたお客さまから「LINE WORKSの通知が表示されなくなった」というお問い合わせを頂きました。 詳しく調査したところ、これはFirefox 107以降での仕様変更が影響しており、通知を表示するにはFirefoxの設定を変更する必要があると分かりました。 本記事では、調査の経緯ならびにその結果判明した設定内容について解説します。
なお、本記事で取り上げるのはLINE WORKSでの事例となりますが、他のWebサービスでも同様のトラブルが発生する可能性がありますので、参考にして頂ければ幸いです。
Firefoxのポリシー設定のExtensionsとExtensionSettingsの使い分け
結城です。
Firefoxのポリシー設定には、名前も役割も非常に似ているExtensions
とExtensionSettings
という2つの設定があります。
この度、これらの違いについてお客さまからお問い合わせを頂く機会がありました。
この記事では、この両者をどう使い分けるのか、どちらを使えばよいのかを解説します。
FirefoxのDisableThirdPartyModuleBlockingポリシーとSKYSEAの競合と、その回避
結城です。
Firefox 110以降(ESR版ではFirefox ESR115以降)において利用可能になったポリシー設定の1つに、DisableThirdPartyModuleBlocking
があります。
この度、SKYSEAを導入されているお客さまの環境でこのポリシー設定を有効化しようとして、SKYSEAとの間で互換性の問題が発生しました。
以下、このポリシー設定がどのような意味を持つ物なのか、SKYSEAとどのように競合するのか、そして、競合をどのようにすれば回避できるのかを解説します。
Thunderbird 102利用者に贈る、Thunderbird 115の変更点
結城です。
去る7月11日、Thunderbird 115がリリースされました。 現在の最新版は、8月30日付けでリリースされたThunderbird 115.2.0となっています。
前のメジャーバージョンであるThunderbird 102は現在もまだサポートが継続しており、Thunderbird 102が自動更新を通じてThunderbird 115に更新されるようになるのは、Thunderbird 102のサポートが終了してからとなります。 具体的には、Firefox ESR102のサポートが終了する9月26日以降になると見込まれます。
Thunderbird 115での変更点は、法人運用に大きく影響する物、影響が軽微な物、変更を元に戻せる物・戻せない物、変更が強制的に適用される物・されない物、管理者側で制御できる物・制御できない物など、様々な項目があります。 この記事では、Thunderbird 102を運用中の法人ご担当者さま向けに、Thunderbird 115での代表的な変更点をご紹介します。
Firefoxサイドバーへのショートカットキーを無効化する方法
林です。
Firefoxでは、サイドバー(履歴、ブックマーク)へショートカットキーを使ってアクセスできるようになっています。 本記事では、便利そうに思えるサイドバーへのショートカットキーをあえて無効化する方法を紹介します。