2015年4月23日発売予定のWEB+DB PRESS Vol.86の特集記事を、クリアコードとして執筆しました。社内の多くの人間が関わった力作となっております。 書影はまだ登録されていないようですが、Amazon.co.jpでは既に注文できるようになっている模様です。
https://amazon.co.jp/dp/9784774172484
この特集記事では、「1年目から身につけたい! チーム開発6つの心得」と題して以下の6つの話題を扱っています。
- 統一感のあるコード
- 見通しの良い設計
- わかりやすい名前
- 伝わるコミット
- コードを読む秘訣
- 情報共有のコツ
「新人開発者などの初級者向けに、リーダブルコードやコードリーダー育成支援に関連した記事を」という事でご相談をいただきましたので、当初は、弊社メンバーそれぞれが持っている「初級者に伝えたい話題」を持ち寄って、それをそのまま記事にするという事を考えていました。しかし、実際に挙げてみるとリーダブルコードなどの実装面の事以外の話題も多数出てきた上に、そもそも「よいコード」の必要性をまだ感じていないという段階の人に対して「こう書くとよいコードになりますよ」とだけ語っても心に響かないのではないかという疑問も生じました。そこで、「多人数のチームでの開発を円滑に進める上で、よいコードにはこのようなメリットがある」という切り口で話題を選定し、新人が先輩に教わって一人前のメンバーに成長していくというストーリー仕立てで、全体をまとめることにしました。
プログラムは何らかの処理をするための物であり、みんなで共同で制作した成果物そのものです。しかし、それと同時に、チームメンバー間での意思疎通の媒体にもなります。何時間もかけてコードの説明をしなくても、コード自体が読みやすい物になっていれば、コードを読むだけで、それを書いた他のメンバーが込めたメッセージを読み取ることができるでしょう。また、Gitなどのバージョン管理システムにおける個々のコミットやその履歴(コミットログ)も同様で、きちんと考えたコミットを積み重ねれば、それらもまたメンバー間でのコミュニケーションの媒体として活用できます。
個々のテクニックを身に着けることや、個人技としての技術そのものに囚われないで、何のために工夫をするのかという観点を持つことを、この特集記事では大切にして執筆しました。チーム全体の開発効率や成果物の品質などの全体的な底上げに繋がる知識として、実際の現場でも役立てていただけるはずです(弊社内でも実践しています)ので、チーム内での連携の取り方でお悩みの方はぜひご一読ください。
なお、ページ数の制限や話題の繋がりなどの都合から掲載には至らなかった話題は、ここ(ククログ)で記事として順次公開していく予定です。実際に、一部は既に「クリアなコード」カテゴリの記事として公開済みです。記事本編の補足になるような話題もありますので、本誌と併せてこちらもぜひご覧下さい。