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OSS開発支援サービス事例:富士通グループ向けOSS Gateワークショップのサポート

OSS Gateワークショップの進行役経験数1位の須藤です。

2017年10月2日(月)に富士通さんが富士通グループ向けのOSS Gateワークショップを開催しました。進行役としてこのワークショップをお手伝いしました。平日の昼間に開催だったので、仕事としてお手伝いしました。もちろん、参加したみなさんも仕事として参加しています。業務時間でOSSの開発に参加できるように社内の整備を進めていて富士通さんはステキですね!

詳細はOSS Gateのサイトに公開されたレポートを参照してください。この記事では、私がどのようにお手伝いしたかを紹介します。OSSの開発に参加するのが当たり前な社内にしたい企業の方は参考にしてください。やりたいけど自分たちだけだと難しそうだなぁという方はご相談ください。ワークショップの開催だけでなく、社内でのOSS開発に関することからサポートしています。たとえば、Speeeさんをサポートしています。

お手伝い内容

今回のワークショップ開催に関して、私の作業内容は主に次の3つです。

  • 事前打ち合わせ(1回)

  • 事前調整(随時)

  • ワークショップの進行(当日)

どの内容でも、私が意識して伝えたのは「大丈夫!」と「前向きに捉える」です。

まず、どうして「大丈夫!」と伝えたかを説明します。

ワークショップ中に「大丈夫!」と伝える理由は、すでにOSS Gateワークショップに参加したことがある人ならわかると思うので省略します。

ワークショップ前に「大丈夫!」と伝える理由は説明したことがない気がするのでここで説明します。

ワークショップ前はワークショップ参加者ではなくワークショップ運営者のみなさんとやりとりをします。「大丈夫!」と伝えるのは運営者のみなさんに対してです。

コア運営者(?)の方は一般向けにやっているOSS Gateワークショップ・ミートアップに参加して、どのような進め方でどのような雰囲気でやっている集まりかを知っていました。それをできるだけ維持したまま社内で開催しようと調整に奮闘していました。ただ、社内のポリシーとの兼ね合いで一般向けと同じように実現できないこともありました。そのようなときに、「一般向けと違う想定になるけど大丈夫ですか…?」ということを事前に私と相談していました。私は「いい感じにやるので大丈夫ですよ!」と伝えていました。

どうして「大丈夫!」と伝えていたかと言うと、社内OSS Gateワークショップの開催を経験できるようにするためです。OSS Gateワークショップは、ビギナーのみなさんが「OSSの開発への参加を経験すること」を大事にしています。ワークショップの開催も同じです。「一般向けと同じようにしないといけない」というように自分たちで敷居をあげる必要はありません。ビギナーの人が「カンペキな英語じゃないと報告してはいけない」と自分で敷居をあげるのと似ているかもしれません。意外と、カンペキじゃなくてもいい感じにやれます。やると情報(知識や経験)が増えるので、次はもっとうまくやりやすくなっています。「一回失敗したら次はない」という状況もあるとは思いますが、そうじゃない「やりながら学んでいくやり方」もあるということを体験して欲しいなぁと思っています。なので、「大丈夫!(一般向けと同じじゃなくてもいい感じにできるから!)」と伝えていました。OSSの開発では「やりながら学んでいくやり方」で進める方が多いので、運営自体も同じように進めることができるんじゃないかなぁと思っています。

「前向きに捉える」の例として、一般向けと違う想定のケースをどのように「いい感じにやった」かを紹介します。一般向けのOSS Gateワークショップには、ワークショップの最後に参加者みんなで今日の時間をふりかえる時間があります。これは、今日のワークショップで得られた知見をこれからの活動に活かすための時間です。一般向けのOSS Gateワークショップでは次のように進めています。

  • 事前に用意された質問に対して各自回答する

  • 回答はpull requestとしてOSS Gateのリポジトリーに提出する

  • 回答が集まったら、回答をみんなで確認しながら、今日のワークショップでなにがわかったかとこれからどうしようかを考える

今回のワークショップでは、ビギナーの回答をpull requestとして提出する前にサポーターが確認しようということになりました。これは社外に出してはいけない情報をうっかり社外に出してしまう可能性を考慮してのことです。

コア運営者の方はこのようなチェックなしで一般向けと同じようなやり方の方がよいのではないかと考えていました。ビギナーに「社外で活動するときは制限が多くて面倒だ」と感じさせてしまう可能性が高くなるからです。たしかに、そういう風に捉えることもできるのですが、次のように「前向きに捉える」こともできます。

  • 事前に他の人に確認してもらってフィードバックをもらうということは、社外で活動するときはなにを意識すればよいかという知見を得られる機会でもある。この機会を活かすことで、これからより安心して社外で活動できる。

  • 自分一人だけで今日の時間をふりかえるより、他の人とふりかえることでより多くの気づきを得やすい。(回答後にみんなで確認しているのはそのため。)確認してもらうと複数人でふりかえることになるのでより有意義な時間になり得る。

これをふまえて今回のワークショップでは次のような進め方にしました。

  • 事前に用意された質問に対してサポーターと一緒に回答する(変更)

    • サポーターはビギナーの気づきをより引き出すようにビギナーと会話する(ビギナーが回答することをサポート)

    • サポーターはビギナーが社外に出してはいけない情報を書いていないか、回答をそれとなく確認する

  • 回答はpull requestとしてOSS Gateのリポジトリーに提出する(同じ)

  • 回答が集まったら、回答をみんなで確認しながら、今日のワークショップでなにがわかったかとこれからどうしようかを考える(同じ)

このように、社内でのポリシーに合わせてワークショップの内容を柔軟にカスタマイズしながら開催をサポートしました。

まとめ

富士通さんが富士通グループ向けのOSS Gateワークショップを開催しました。私は進行役として開催をサポートしました。このワークショップがどのような感じだったかはOSS Gateのサイトに載っているレポートに詳しく書かれているので、ここでは私がどのようにサポートしたかを紹介しました。社員のみなさんがOSSの開発に参加することを支援したい企業の方はぜひ富士通さんを参考にしてください。クリアコードはワークショップの企業開催をサポートしています。開催したいけど不安があるという方はお問い合わせください。