早いもので今年も最終週になりました。今年は手狭になったオフィスを引越し、3倍くらいの広さになりました。社外の方に場所を貸し出せる余裕ができ、社内で一緒に開発するなどの技術交流もできました。今年は「自分たちの技術や知識を気づいたら身につけていたものから誰かに伝えられるものとしてまとめあげること」を目指していたので、それを実現できるよい環境になりました。
今回はククログ上で公開した今年の活動をまとめてみます。
1月
迷惑メール対策ソフトウェアであるmilter managerのスケーラビリティ向上についてと、Rubyのリファレンスマニュアルを全文検索するるりまサーチとドキュメント検索の話題がありました。
milter managerは1月のうちにスケーラビリティを向上したバージョンをリリースし、その後リリースを重ね、最新リリースでは十分に安定したと言えるくらいまでになっています。今年はmilter managerやRubyで実装したmilterを使ったメールシステムが増えた年でもありました。どちらのケースもそれなりの規模のメールシステムです。
この頃にるりまサーチのことを書いていたのは2月に第3回フクオカRuby大賞の本審査があったからです。
2月
第3回フクオカRuby大賞があったこともあり、もっと知られてもいい人たちについて考えていました。
2月は年に一度の肉の日にリリース祭りがありました。
自分たちの知識を「誰かに伝えられるものとしてまとめあげる」シリーズの第1弾としておすすめEmacs設定をまとめました。今年の3番目の人気記事です。おすすめ設定はこのときからさらに更新されているので、1年か数年に1回でもまとめ直していきたいですね。
3月
第3回フクオカRuby大賞でコミュニティ特別賞を受賞しました。ありがたいことです。
めずらしくソフトウェア開発者の募集について詳しく書いていますね。
4月
いつも通りこつこつとソフトウェアを開発していたようです。着実にgroonga関連のソフトウェアをリリースしたり、milter managerをリリースしています。こつこつ着実に続けていくことは地味な上に結構大変なんですよね。
groonga開発者の森さんが書いた検索エンジンはなぜ見つけるのかの紹介もしていました。検索エンジンに興味のある方は参考にしてください。
5月
ソフトウェアのドキュメントの多言語対応についていろいろ検討していました。
まず、リファレンスマニュアルの記述方法について、記述方法ごとにメリットとデメリットをまとめてみました。また、現在あるドキュメントツールがどの記述方法を採用しているかも示しています。これで記述方法については大まかに把握できるはずです。
続いて、Ruby用のドキュメントツールであるRDocとYARDを比較して違いをまとめました。この中ではYARDびいきで書いていますが、RDocも活発に開発されていてすごいです。まさかRDがサポートされるとは思いませんでした1。
ところで、RubyDoc.infoというサイトを知っていますか?このサイトではgemのドキュメントを提供しており、YARDで整形した状態で気になるgemのドキュメントを読めて便利です。gemを作る側で見ても、リリース後に自分でドキュメントをアップロードしなくても勝手にドキュメントを生成してくれるので便利です。
また、Python用のドキュメントツールであるSphinxの国際化機能を使った複数言語用のドキュメントを用意する方法についてもまとめました。なお、groongaのリファレンスマニュアルはSphinxを使って英語と日本語のドキュメントを提供しています。
ドキュメント関連以外では64bit版Windows用のRubyInstallerも作っていました。残念ながらまだ取り込んでもらえていません。当時は動くところまでやったので今でもおそらく動くでしょう。だれか続きをやってもらえないでしょうか。(Windowsユーザーの方がよさそう。)
6月
MySQLでgroongaを使うためのソフトウェアmroongaでラッパーモードが発明されました。
7月
本社を移転しました。
日本Ruby会議2011にスポンサー・発表者として参加し、テスティングフレームワークの作り方について話しました。また、日本Ruby会議2011では話さなかった、今年目指していることにも関連する伝えることを伝えることを考えていました。
8月
あまりパッとしたことを書いていませんでした。
9月
自分たちの知識を「誰かに伝えられるものとしてまとめあげる」シリーズの第2弾としておすすめzsh設定をまとめました。今年の2番目の人気記事です。おすすめ設定はこのときからさらに更新されているので、1年か数年に1回でもまとめ直していきたいですね。
また、groongaの位置情報検索の情報もまとめました。まだgroonga本体のドキュメントには反映できていないのが残念なところです。
10月
札幌でのgroonga勉強会用の情報をまとめていました。groongaにデータを登録してからインデックスが更新されるまでの流れとgroongaの全文検索処理の流れです。
自分たちの知識を「誰かに伝えられるものとしてまとめあげる」シリーズの第3弾としてどうして開発者がドキュメントを書くべきかをまとめました。あまりこの視点で話されることありませんが大事な視点のはずです。
11月
久しぶりのMozilla関連情報としてFirefoxの技術書「Firefox Hacks Rebooted」の紹介がありました。
また、OSC2011.DBでmroongaのベンチマークを紹介してきました。
12月
いい肉の日に行われる年に1度のgroonga勉強会を今年も開催しました。
自分たちの知識を「誰かに伝えられるものとしてまとめあげる」シリーズの第4弾としてデバッグ力: よく知らないプログラムの直し方をまとめました2。今年1番の人気記事です。
まとめ
月ごとに今年のクリアコードの活動をまとめました。
去年よりもまた発表する機会が減りましたが、今年目指していた「自分たちの技術や知識を気づいたら身につけていたものから誰かに伝えられるものとしてまとめあげること」については去年よりも実現できていたのではないでしょうか。
今年もありがとうございました。来年もクリアコードをよろしくお願いします。