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オンボーディングがうまくいく2つのコツ

こんにちは。Groongaサポートサービスを担当している堀本です。

ここ最近クリアコードでは、新しい社員が増えました。 当然ですが、新しく入ってきた人はクリアコードに慣れていませんので、各々のパフォーマンスを発揮しやすいようにオンボーディングを実施しています。

今回は、オンボーディングの実施を通して得た知見を紹介しようと思います。

クリアコードは担当業務によってチームが分かれています。 私は、Groongaのサポートサービスを担当しているのでGroongaチームに所属しています。

Groongaチームでは、今までも新しく入ってきた人を迎え入れることがありましたが、うまくパフォーマンスを発揮してもらえるような環境を整えられていませんでした。 そこで、「どうするとGroongaチームでパフォーマンスを発揮しやすい環境になるのか?」を考えて実践してみることにしました。

実践したのは以下の2つです。

  1. フルリモートでも気軽にコミュニケーションを取れる場を設定する
  2. 定期的に目標のレベルを調整をする

フルリモートでも気軽にコミュニケーションを取れる場を設定する

現状の課題

Groongaチームが気軽にコミュニケーションを取れないチームというわけではありません。 わからない点については、気軽に相談してもらって大丈夫なチームですし、相談して業務を進めることを推奨してもいます。

ただ、この「わからない点を相談する」という行動が難しいケースがあり、そのケースを今まではケアできていませんでした。

新しく入ってきた人は、何かとわからないことが多いものです。 そして、「わからない」には以下のような段階があり、以下のb、cの段階にいる場合は「既存のメンバーにわからない点を相談する」のは難しいです。

「わからない」の段階

a. 「わからない」ことがわかっている

何がわからないかを相談する側が理解している段階です。 わからないポイントが明確なので、この段階は相談しやすいです。

b. 何がわからないのかわからない

相談する側が、わからないポイントを把握していない段階です。 わからないポイントが不明確なので、この段階は相談しにくいです。 何をどう相談すればいいかわからないからです。

c. わかってないことに気がついていない

間違った理解をしていたりするケースは、この段階です。 わかってないことに気がついていない(理解していると思っている)ので、この段階はそもそも既存のメンバーに相談するという発想に至りません。 作業を進めて、アウトプットが出てきた段階で間違った理解をしていたことが発覚することが多いです。

既存のメンバーは、わからないことはわかる人に聞いて、チームで問題解決して作業を進めてもらいたいと思っていますが、b、cの段階の場合は そもそも、わかる人に聞くことが難しいのでスムーズな作業ができません。

解決策

これを解決するには、既存のメンバーから能動的に聞き出すことによって課題を表面化するのが良いと考えました。 そこで、なにか困ったことや、違和感を抱いたことについて気軽に対話できる場を固定的に設定しました。 具体的には、朝会という形で毎朝、なにか困ったことや、違和感を抱いたことがないかを話す時間を設けました。

なにかあったときに、都度、場を設定するのではなく、いつでも質問してよいチャットルームや、いつでも質問してよい時間を決まった時間に取るなど、予め場を用意しておくことがポイントです。 オフラインで集まって作業している場合は、雑談や何かの相談のついでに話をすることができますが、クリアコードはフルリモートで作業を行うので、話をする場を明示的に設けて置くことが大事でした。

これを行うことで、bの段階にいる場合は、何がわからないのかを一緒に整理してbからaの段階へ進むことができました。 cの段階にいる場合は、理解に必要な背景を説明したり、必要な知識を説明したりして早期に勘違いを直すことができました。

また、オンボーディングの実施とは直接関係ありませんが、気軽にコミュニケーションを取れる場があるということはオンボーディング以外の時にも有用です。 なにか壁にぶつかった時に一人で悩んでいても良い結果にはつながらないことが多いです。 そのようなときは、誰かに相談して作業を進めると一人で進めるより良い結果につながることが多いです。 このククログも、どうやってまとめればいいか悩んでいたので社内の人に相談し、いろいろなアドバイスを頂いた結果、仕上げることができました。

定期的に目標のレベルを調整をする

現状の課題

Groongaチームでは、いままでも、新しく入ってきた人に何を期待しているのかを明確に説明していましたが、 実際に作業を進めていくといつの間にか目標のレベルがつり上がっていることがありました。

新しく入ってきた人は、早く業務に慣れてチームや会社へ貢献したいと考えているはずです。 したがって、なるべく素早く成果を上げたくなります。

しかし、業務の難易度や本人の適正によっては思うようには成果を上げることができない場合もあります。 新しく入ってきた人が自分で設定した目標と実際の成果が釣り合わない場合、焦りや挫折感が生み出されてしまいます。 このような状態では、パフォーマンスを十分に発揮することはできません。

ここでは、「新しく入ってきた人が自分で設定した目標」がポイントになります。

新しく入ってきた人から見ると、既存のメンバーはきちんと成果を上げているように見えます。 一方、新しく入ってきた人はまだできる範囲が狭く既存のメンバーほどの成果はあげられません。 また、新しく入ってきた人は前職の経験から(意識的か無意識的かの違いはありますが)自分がどのくらいできるのかの基準を持っています。

このようなことが原因で、本来、既存メンバーが想定している期待値より、新しく入ってきた人は高レベルの目標を設定してしまいがちになります。

新しく入ってきた人は、入って間もないので、既存のメンバーほどの成果はあげられないことは当然ですし、 前職とは異なる点も多いので、前職の経験から導き出された基準通りにはならないというのも当然です。 更に、人には向き不向きがあるので着手している作業がその人とっては苦手な作業である場合もあります。

解決策

前述の通り、どのくらいできているのが良いのかは状況によって変動するので、既存のメンバーと新しく入ってきた人で定期的に目標のレベルをすり合わせることが重要だと考えました。 このようなすり合わせを行わないと、目標のレベルが上がり続けて本来不要な焦りや挫折を感じやすくなってしまいます。

具体的には、定期的に時間を取り「今の段階で何ができていれば良いのか」を共有しました。 これによって、例えば「簡単だと思っていたが、やってみたら思ったより複雑で難しい作業をやってもらっていた」といった難易度の不一致に 気がついて別の作業を設定したり、作業を分割して新しく入ってきた人ができる難易度にするといった調整をすることができました。

また、新しく入ってきた人は、闇雲に「あれもこれもできるようにならなければ!」となるのではなく 「まず、Aをできるようになって、次にBをやりましょう」といった形でどうやってステップアップするかを整理しながら進めることもできました。

これにより、余計な焦りや挫折を感じなくてすむような進め方にできたと思います。

おわりに

Groongaチームでの経験をベースに、オンボーディングを通して得た知見をまとめてみました。 「中途入社」で「ある程度同業他社で働いていた」人に向けて、オンボーディング実施を任された方の参考になれば幸いです。