現在Mozillaの開発コミュニティにおいて、Fennecと呼ばれるモバイルデバイス向けのウェブブラウザが開発されていることをご存じの方も多いかと思います。Fennecでは、PC版のFirefoxと同じGeckoエンジンを使用することによってPC上と同じレンダリング結果が得られるほか、拡張機能もサポートされることがアナウンスされており、モバイルデバイス用ウェブブラウザに新たな変革をもたらす事が期待されています。
Fennecのターゲットプラットフォームとしては、Linuxの他に、Windows Mobileも挙げられています。MozillaのMercurialリポジトリで開発履歴を確認すると、Windows Mobile版Mozillaは、主にBrad Lassey氏とDoug Turner氏の2人によって活発に開発が進められているようです。
しかしながら、現在のところ一般向けにモバイルデバイス用実行ファイルが 提供されているのはNokia N810用のみであり、Windows Mobile用はアルファ版すら提供されていない状況です。
N810が日本では未発売ということも相まって、Windows Mobile版のMozillaがどの程度動作するものなのか、やきもきされている方もおられるのではないでしょうか?
現在、クリアコード社内においても組み込み機器向けMozillaの研究を進めており、Windows Mobile用XULRunner のビルド及び動作も確認しておりますので、そのような方々に向けて、開発版の動作状況を動画で紹介したいと思います。
ただし、この動画で動作しているウェブブラウザはFennecではなく、MyBrowserという動作確認用の簡素なサンプルブラウザです。また、動画で使用しているバージョンは2008年12月中旬頃のものを元にしており、さらに、最低限の動作を確認できるよう弊社内で独自の修正を加えているため、現在リポジトリから取得できるバージョンとは少し状況が異なります。
本動画は、リモートの開発環境からデバッグ版MyBrowserを起動した直後から開始されています。ブラウザ画面が表示されるまで20秒以上と、起動がやや遅い印象はありますが、一度起動してしまうと、思いのほかスムースにレンダリングされているように見受けられます。
まだまだモバイルデバイス向けの最適化が進んでいないため、単純に他のモバイルデバイス用ウェブブラウザと比較してしまうと苦しい面もありますが、現時点でも十分実用に成り得るポテンシャルがあることは確認していただけるかと思います。
弊社では、Fennecについても同様にWindows Mobile上での動作を確認しています。
しかし、こちらはまだWindows Mobileデバイスに合ったレイアウト調整やパフォーマンス調整が行われておらず、動画で紹介するには時期尚早であるため、今回はデモを見送りました。FennecについてはPCで動作するバージョンがリリースされているため、こちらを試用して夢を膨らませておくのが良いでしょう。
ククログでは、今後とも随時モバイル版Mozillaの研究・開発状況をレポートしていく予定です。
先日、仙台Ruby会議01で1コマ話してきました。
東北にいたころにお世話になっている人たちも観にきてくれて、たくさんの方に聞いてもらえました。ありがとうございます。
何人か直接感想を伝えてくれた方もいたので、少しでも言いたかったことが伝わったような気がしています。仙台で話せてよかったです。ただ、いくつか言い損ねたこともありました。
前半では、作る側である前に使う側という立場であったから、作る側の考え方が養われたということに触れたのですが、後半の「今日からできること」ではそれに触れませんでした。使うことでよりソフトウェアに愛着がもてるかもしれないので、使うということも大事なことだと思います。
今なら、Ruby 1.9.1を使うというのもエキサイティングでよいかと思います。使うことでバグを踏んで、直す機会に巡りあえるかもしれません。
自分の例を使って、東北にいてもプログラミングを続けることはできるし、認めてもらえることもあるという話をしました。そして、プログラミングして直すということがどちらにも有効ではないかと続くのですが、そこで、とてもよい実例をあげそこねてしまいました。
ちょうど1つ前に話していた藤岡さんがまさにそのよい例だと思います。藤岡さんはcgi.rbを直すことで認められ、Rubyのコミッタになっています。
当時はまだ東北にいましたが今は東北にいない自分の例だけよりも、今も東北にいて活躍されている藤岡さんに触れなかったことが悔やまれます。より身近にいる藤岡さんのことに結びつけて聞いてもらえていたら、もっと実感して聞いてもらえたかもしれません。
都会に行かないと話せる人がいないという少し昔の話をしましたが、今はその状況は大きく変わっていると思います。それは、仙台Ruby会議01に参加した人たちならわかるはずです。前述の藤岡さんもいますし、仙台Ruby会議01を先頭に立って引っ張ってくれた片平さんもいます。
これは、はっきりと言うべきでした。
今回、仙台Ruby会議01で話すことができたのは、角谷さんと片平さんのおかげでした。仙台Ruby会議01の話者がすべて決まった後なのに、私も入れてくれました。入ってきた私のために、1コマ増やせるように動いてくれ、実際に1コマ増やしてもらえました。本当にありがとうございました。
東北にいるたくさんのすばらしいRubyistを知ることができた仙台Ruby会議01は、とてもすばらしいRuby会議だったと思います。
Ruby会議2009は、私個人だけではなく、スポンサーとしてクリアコードでも参加したいと思います。